ヨハン・フリードリッヒ・ベトガー(1682 - 1719)
アウグスト王から命じられ、欧州で始めて磁器土を発見しその製法を完成させた錬金術師。当時、卑金属(鉱物)を金に変える研究家を錬金術師と呼び、様々な研究がなされていました。ベトガーは薬学にも優れており、その手腕を見初めたアウグスト王が白い磁器の発明へと命じました。1700年にシュネーベルグ近郊の聖アンドレアス鉱山でカオリンを産出し、磁器の主原料を手に入れます。その後5年間、磁器焼成の発展はありませんでした。苦しみ抜いたベトガーは幾度と城から逃亡します。その度にアウグスト王に逮捕され、磁器の開発を強いられ、1706年、アルブレヒッツ城内でb器(せっき)の試作に成功します。それを元に、焼成と長石の化学反応で半透明の白に変化することを発見。遂に1709年、欧州初の白い磁器を完成しました。1710年にはアルブレヒッツブルグ内に工場が設立されマイセンの生産が始り、アウグスト王の念願がかないました。そして、磁器作成の工法が他国に漏れるのを防ごうとベトガーの監禁を続けたのです。外出が許されなかったベトガーは酒に溺れ、1719年に37歳の短い生涯を閉じます。 |